シンガポールは発展途上国でありながらも、デジタル化においては国家戦略として積極的に携わってきました。
その結果、IMDで知られる国際経営開発研究所の2017年に出したデジタル競争力ランキングでは堂々の1位に輝きました。
そんなシンガポールでは一体、どのような先進的なデジタル化が行われているのでしょうか。

まず、シンガポールでは教育のデジタル化を行っています。
これは教育現場にタブレットやスマートフォンといった電子通信機器を導入して、生徒が自発的に情報と接することができるような環境を整えようというものです。
そのためにシンガポール政府はフューチャースクールという制度をつくって、国の審査に合格した学校は政府や国立財団などからの様々な援助が受けられるようになっています。

またシンガポールでは交通システムもデジタル化されており、国民の生活に広く普及しています。
それが、ERPというもので道路の混雑を管理するのに使用される道路料金システムです。
このシステムは、時間帯や場所によって変わる交通量をオンライン上で運転手に伝達することによって交通利用量の調節を行って、交通の効率化を図っています。
以前は運転手は場所によって紙のライセンスを購入していましたが、このデジタル化によって不要になりました。

シンガポールでは税の申告もデジタル化しており、イーファイリングという税申告手段が誕生しています。
これは、役所の電子サービスを利用するためのアカウントさえ取得すれば、スマートフォンなどの電子通信機器を利用して非常に簡単に、かつ素早く税の申告手続きができるようになるシステムです。
これによって申告者が無駄な手続きによってもっていかれる時間も、役所の人間の仕事も減らすことができるようになります。

またシンガポールではトレードネットといわれるサービスがあります。
これは貿易活動を効率化させるために、本来は輸出や輸入に関わる文書処理手続きをオンライン化して、スマートフォンなどで手軽に処理できるようにするシステムです。
このトレードネットによって企業側の貿易文書作成の時間とコスト削減というビジネス面での利益はもちろん、シンガポール税関も商品の移動の監視に集中できるようになりました。
このようにシンガポールでは世界的に見ても非常にデジタル化が進んでおり、無駄なコスト削減であったり利便性の向上であったりと企業から、個人まで多くの恩恵を受けています。

日本は先進国とはいえデジタル化が出遅れている

日本はアジアの国々の中で初めて先進国の地位を築いた国です。
しかし、IMDのデジタル競争力ランキングでは27位とかなり低迷しています。
その理由としては高齢化現象でデジタル機器に接する機会をもった人間が他国に比べて少なく、デジタル機器に寛容になれない厚い層がいたことが一つの要因といえます。
ただ、日本でもスマートフォンの供給率が伸び、政府も様々なデジタル化の国家戦略を明示しているので期待できそうです。

まず初めに教育の分野では、日本政府はデジタル教科書の導入を検討しています。
これはタブレット端末にすべての科目の教科書データがダウンロードされたもので、音声機能や動画での説明など多彩な要素を包括しています。
また、生徒は問題をタブレットに解答してそのデータを教師が点検するというシステムをとるようです。
ただ、どうやらシンガポールとは違って生徒の主体的な学びの意図はなく、あくまでも現行の教育モデルをデジタル化するだけのようです。

税の申告に関してもデジタル化が進んでおり、近年イータックスと呼ばれる税の電子申告制度が生まれました。
これは個人情報を役所にデータ登録したら、スマートフォンなどの電子通信機器にて手軽に確定申告が行えるというものです。
これに関してはシンガポールが以前から行っているイーファイリングとほぼほぼ同じような構造をしています。
まだあまり国民の生活には普及はしていないようですが、非常に便利なものなのですぐに普及していくと思われます。

日本は国家としては世界的にみてもまだまだデジタル化が遅れていますが、企業側ではビジネスとして革新的な取り組みが行われています。
その一つが支払いのデジタル化です。
これはコンビニなどのお店や各種交通手段において支払がオンライン上で完結するというシステムで、年々その利用適応範囲が広がっており、最近ではタクシーの支払いもオンライン上で行えるようになりました。

このように日本では企業の柔軟なデジタル化への姿勢とは対照的に、国家戦略としてのデジタル化がかなり遅れている状態です。
過去の総務省の調査ではスマートフォンの利用率は70%を超えていますし、世間的にもデジタルなものへの抵抗感は徐々になくなっていっているのではないかと思います。
ただ他の先進国やシンガポールのような国々にデジタル化において出遅れてしまっているので、国家戦略としてのデジタル化の強行が必要と言えるでしょう。

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